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仙台家庭裁判所 昭和28年(家)2391号 審判 1954年1月18日

本籍 アメリカ合衆国ニユーヨーク州

申立人 バーナード・ピカツト(仮名)

本籍 仙台市

事件本人 山田芳子(仮名)

本籍 仙台市

右法定代理人母山田静子(仮名)

主文

右申立人が右未成年者山田芳子を養子とすることを許可する

理由

本件申立人は主文同趣旨の審判を求めその事情として述べるところによれば本件申立人は右事件本人山田芳子の実母静子と昭和二十八年○月○○日婚姻し、その後は右事件本人とも同居し養育しつつ現在に至つたものであるがその間右事件本人に対し実子に等しき愛情を持続し、たまたま明年五月その本国であるニユーヨーク州に帰国するにあたり右事件本人を養子として連れ帰りたいと思い且つ右事件本人を将来幸福なる生活をなさしめる自信もあり、本人及右法定代理人母即ち妻の承諾も得ているので本件申立をなしたものであるというにある。

依つて当裁判所は申立人及び事件本人並びに法定代理人等を審問し且つ本件記録添付の戸籍謄本並びに本件申立人の本国法であるニユーヨーク州法中養子縁組に関する法規を参照検討した。而して本件申立は所謂妻の連子の場合であり民法第七百九十八条第二項により当裁判所の許可を得ずして、その縁組の有効に成立する要件を具備しているものであるがニユーヨーク州には右の如き例外規定はなく養子とするには裁判所に於て裁決を受けなければならない旨定めてあり又申立人の本国法によれば養子縁組の要件を具備し申立は適法であることが窺い得るので法例第十九条に則り申立理由を相当と認め主文の通り審判した。

(家事審判官 三森武雄)

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